奈良平城京時代の仏教学派。
渡来人から伝来したものや、留学僧によってもたらされた仏教の研究グループ集団を分類したもので、三論宗・成実宗・法相宗・倶舎宗・律宗・華厳宗の6つ。
三論宗・成実宗
「空」とは何かを説いた学派で三論宗は空宗とも呼ばれる。対し、成実宗は「成実論」に基づき「実有(空・無の反対)」を追求した学派。
法相宗
玄奘(三蔵法師)が説いた「成唯識論」に基づく難解な学派で、永遠の生(輪廻)とは何かを「識」という概念をもって説くもの。また、解脱に至る能力には生まれつき限界があるとした「五性各別」を主張する。これに対し他の学派は誰でも皆、悟りに達することが出来るとします。
倶舎宗も法相宗と同じ学説をとり研究対象に違いがあった。後に法相宗に吸収。
華厳宗
前述の学派と異なり、釈迦が辿り着いた境地を説くことで、宇宙の構造について考える。これも難解で後世の弟子日蓮をしても完全な理解は出来なかったとされる。
「一即多」と言い、たったひとつの小さなものでも多くのものと関連性がある。とし、すべての事象(悩み迷い)が悟りにつながるのだ。とする。その宇宙構造(真理)を具現化する象徴を廬舎那仏という。東大寺の大仏がそれである。
律宗
唐の高僧鑑真によって伝えられた、戒律を重んずる学派。
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