前回では、"薪"に焦点を絞ってその流れを追ってみた。結局のところ最終的には、その薪自体は迎え火として燃やされ、薪に書かれた被災者のメッセージは護摩木に写木されて送り火と共に使用された。途中、放射能汚染問題でメディアに騒がれながらも、その事業は完結したわけだ。
で、今回は"金(銭)"に視点を変えて経過を辿ってみようと思う。
被災地問題に、"金(銭)"を持ち込むとは何事か。と。とは言え、この社会が資本主義経済で動いている限り、避けては通れないこと。被災者・被災地に義援金や支援金が必要だし、復旧・復興に資金は必要だ。
前回の記事(京都五山送り火問題)で、発案者の藤原了児氏のサイト、
大文字送り火に、陸前高田の松原の薪・計画 陸前高田の松と「京都大文字の送り火」について(検証)
に、「陸前高田のがれきとなった松は、すべて福井県のNPO法人"ふくい災害ボランティアネット"が管理しておられる。」と記載されている。
しかし、もともと高田松原は、陸中海岸国立公園の指定特別地域で環境省(国)の管轄のはず。
経過はわからないが、このNPO法人"ふくい災害ボランティアネット"は環境省の許可を得て、高田松原の流木等を"金(銭)"に錬金、つまり復興支援金として地元に還元する。ということらしい。
2.事業内容 岩手県内の薪製造業者の協力の元、被災地の高田の松をはじめとした倒壊樹木や塩害立木ならびに津波により散乱している木材を薪などに加工し、復興支援“薪”や復興支援”グッズ”として販売(非営利事業)し、収益を復興支援金として地元に還元する。 木材の回収・運搬・保管及び薪加工作業は原則としてボランティアによって行う。 (引用:東日本大震災 復興支援プロジェクトサイトin陸前高田 復興支援薪+αプロジェクトの概要) |
環境省側に立ってみれば、税金を投入して廃棄物処理するなら、NPO法人(特定非営利活動法人)に丸投げしてしまえばいい。それも復興事業として成り立つってことだ。一方でNPO法人、タダ同然で仕入れた原料からボランティア(無賃金労働力)を使って復興支援金に仕立て上げる。これもまた立派な支援活動だ。
がしかし、その原料である松の流木が放射能汚染されているとは。現在は薪の販売は中止している。とのことだ。
環境省やNPOを非難しようとしているわけではない。
しかし、NPO法人はその活動を評価監視することは必要だ。所管は届け出の自治体(または内閣府?)になるのだろう。ちなみに、ふくい災害ボランティアネットを調べてみた。
内閣府 NPOホームページ 全国特定非営利活動法人情報の検索
NPO法人データベース NPOヒロバ 条件を指定して探す
内閣府のページから、所轄庁のページへ飛んでみた。
ふくい県民活動センター 福井県認証のNPO法人一覧
定款も事業報告書も無い。福井県認証のNPO法人一覧表(法人名称、代表者、住所等)(EXCEL) には掲載されていた。事業報告書は公開の義務付けは無いのかな?ちょっとよくわからん。
別の検索ページ(NPO法人データベース)では、同じ法人名で違う代表者、違う住所で索引された。どうなってんの?
■ 参考
藤原了児 大文字送り火に、陸前高田の松原の薪・計画
環境省自然環境局 陸中海岸国立公園
ふくい災害ボランティアネット 東日本大震災 復興支援プロジェクトサイトin陸前高田
ふくい災害ボランティアネット
ウィキペディア 特定非営利活動法人
内閣府 NPOホームページ
NPO法人データベース NPOヒロバ