曹洞宗は伝統仏教では最大級の教団です。曹洞宗の禅寺は坐禅道場の施設としての機能しか持ち合わせず、仏像・絵画等観賞に値するものは意外に少ない。また、総本山とは言わず大本山が同格で永平寺・総持寺、宗祖と呼ばない代わりに道元を"高祖"・螢山を"大祖"と両祖大師と呼びます。
道元の思想は出家至上主義*1とも言える苛烈なもので、当時比叡山からも非難を浴びた程です。ではなぜ現在に至る最大教団にも発展したのでしょうか。ここに浄土真宗で言う顕如にあたる布教の天才螢山(紹瑾)が出現するのです。
第4祖螢山の功績は道元の教えを拡大解釈したことです。螢山は在家信者との交流(布教)をを行い、女人救済(女性住職の登用)を推進し、弟子の養育に力を注ぎました。また密教的要素の加持・祈祷・祭礼も取り入れ、それによって主に地方豪族・下級武士や商人へ信仰を広げました。
■ 関連図書
- 作者: 道元,水野弥穂子
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