前回までの記事(食品企業の放射能対策 (飲料編)・(乳製品編)・(酒類編))に引き続き、製パン業者と洋菓子製造の関連メーカー各社の放射能対策について。
1.山崎製パン
食パン(超芳醇・サンロイヤル等)・菓子パン(バターロール・ランチパック等)・和菓子(串だんご・中華まん・チーズ蒸しパン・まんじゅう等)・洋菓子(まるごとバナナ・ロールケーキ等)・お弁当サンドイッチ・お菓子その他(あんみつ・ジャム・ドリンク・水ようかん等)など。
放射能対策に関する情報が無い。
事業所は以下に確認出来るが、東日本には、一部操業再開した仙台工場(YSE:宮城県柴田町)をはじめ、以下の工場が並ぶ。主原料の小麦は輸入だとは言え、こんな大きな企業が何の対策もしていないとは。
(YK:古河工場 YI:伊勢崎工場 YS1:埼玉第一工場 YS2:埼玉第二東村山工場 YC:千葉工場 YMK:松戸第一工場 Y2M:松戸第二工場 YM1:武蔵野工場 YY1:横浜第一工場 YY2:横浜第二工場)
山崎製パン(ヤマザキ) 事業所一覧
山崎製パン(ヤマザキ) 食の安全・安心への取り組み
関連企業
サンデリカ 調理パン・米飯・惣菜類の製造販売
ヴィ・ド・フランス(VIE DE FRANCE) パン(サンドイッチ・惣菜パン等)の販売、外食店舗併設
2.敷島製パン
食パン(超熟)・ロールパン(超熟・十勝)・イングリッシュマフィン・菓子パン(スティック等)・和洋菓子(ほわ蒸し・もちっとロール等)・ロングライフブレッドなど。
ここも、放射能対策に関する情報が無い。東北関東の工場は避けたいところだが。
(P3:利根工場 P5:埼玉工場 P1:東京多摩工場 P2:湘南工場)
敷島製パン(Pasco) 事業所案内
敷島製パン(Pasco) 安全・安心へのこだわり
3.第一屋製パン
食パン・ロールパン・菓子パン(ポケモンパン)・惣菜パン・和洋菓子など。
放射能対策に関する情報はなし。本社(東京都小平市)の関東拠点の企業、工場は関東近辺に4つある。
(???:横浜工場 KDI:小平工場 TKS:高崎工場 KNM:金町工場)
第一屋製パン(第一パン) 事業所案内
4.フジパン
食パン(本仕込)・ロールパン(ネオバターロール)・菓子パン(アンパンマン)など。
放射能対策に関する情報はなし。関東近辺に4工場、それと関連会社に東北フジパン(宮城県岩沼市)がある。
(FTK:東京工場 FMU:武蔵工場 FYO:横浜工場 FCH:千葉工場 FSE:東北フジパン)
フジパン 所在地一覧
フジパン フジパンのものづくり
関連企業
フジパンストアー ベーカリーパンの製造販売
日本デリカフレッシュ・日本フーズデリカ・フジデリカ デリカテッセン(お弁当・サンドイッチ・おにぎり等)の製造
5.タカキベーカリー
本社を広島に置く総合製パン企業。タカキベーカリーのパンは西日本が主体。アンデルセングループとして"アンデルセン"・"リトルマーメイド"等のブランドで小売店舗を全国展開している。
放射能対策に関する情報はなし。
東日本への供給工場は、つくば工場(茨城県つくば市)・秦野工場(神奈川県秦野市)の2工場のみ。
タカキベーカリー 工場と営業拠点
タカキベーカリー 安全・安心
関連企業
アンデルセン(ANDERSEN)
マーメイドベーカリーパートナーズ
アンデルセン・マーメイドベーカリーパートナーズ("リトルマーメイド"・"カフェデンマルク"・"デニッシュバー"・"マーメイドカフェ")として、全国に小売直営店舗を展開。
6.神戸屋
関西地域主体のパン・洋菓子・デリカ食品の製造販売業者。"フレッシュベーカリー神戸屋"・"ブレッズコート"ブランドで小売店舗を全国展開している。
放射能対策に関する情報はなし。工場は東京(2カ所)・神奈川・千葉・大阪(3カ所)・兵庫にある。
関連企業
BREADS STUDIO ベーカリーの小売販売
神戸屋レストラン
7.木村屋總本店
東京銀座に本店を置く老舗製パン業者。放射能対策に関する情報なし。
木村屋總本店 「会社案内」事業所紹介
木村屋總本店 「あんぱん読本」木村屋のパン工場見学
8.伊藤製パン
食パン・菓子パン(頭脳パン)・ロールパン・揚げパン・惣菜パン・調理パン・蒸しパン・洋菓子など。
"ボンデセール"・"マルセリーノ"等のブランドで小売店舗を主に関東に展開する。
放射能対策に関する情報はなし。本社・岩槻工場(埼玉県さいたま市)・砂町工場(東京都江東区東砂)の2拠点。
伊藤製パン(イトーパン) 会社情報
9.サンジェルマン
関東(東京)主体で店舗展開するパンの製造販売業者。(JT100%子会社)
放射能対策に関する情報はなし。
サンジェルマン 店舗紹介
この業界、パンのようにふわっとした業界だ。
製パン業者は業界団体として、"日本パン工業会"を加盟団体に持つ。
日本パン工業会は、食品の安全性確保・品質管理に関する対策のガイドラインを取決めしている。だからと言って拘束力があるようには見えない。また、放射能対策について言及も無い。
日本パン工業会 会員名簿
日本パン工業会 食の安全・安心への取組み
ここまで見たところ、放射能対策を行っている企業は1社も無い。見事だ。
主原料の小麦は、ほぼ輸入に頼っているとは言っても、穀物・卵・乳由来の原料も当然使っている。その中には国内産のものはあるはずだ。大丈夫なのか。
サンドイッチ類やデリカ食品も製造している企業は多い。そうなると原材料は、米・野菜・根菜類など農作物全般になる。というのに。農作物の放射能検査は政府・自治体任せで問題ないといったところか。もっと企業も業界も努力して欲しい。
これでは、どう自己対策すればいいのか。なるべく、サンドイッチ類やデリカ食品(農作物が入ってるもの)を避けて、あん・ジャム・クリーム等を使った菓子パンも避けて、結局、食パンに近いものを選んで放射性物質を軽減するしか方法が無い。
主原料の小麦は、そのほとんどが輸入(海外産)だ。輸入小麦は全て政府の管理下にある。
農林水産省 麦をめぐる事情について (PDF) この2頁(小麦の流通の概要)にある通り。政府が一元輸入し製粉業者に引き渡す。
農林水産省 平成23年産麦に由来するふすま及び麦ぬかの取扱いについて (PDF)
その輸入小麦だが、放射性物質の関連する検査項目は無い。国内産の小麦に関しては、放射性物質の検査を行っている。何が何だか分かり難いが、政府(農林水産省)はこう言いたいわけだ。
「小麦の大部分は輸入(輸入だから放射性物質は無く安全だ)、国内産小麦は(放射能の危険性があるので)放射能検査をしています。」と。
(以上この記事には、もちろん一部私の主観も入っています。リンク先のページ等でご自身で確認して下さい。心配ならお問い合わせを。)