Nishiakashi’s Blog

徒然なるままに。。教えられること多し。

京都五山送り火問題

 メディアの流す情報ってのは、どうして断片的で偏向的で、人を惑わすのか?
 一連の、"京都五山送り火"の事の顛末について調べてみた。

 始まりは、6月中旬頃 大分県の藤原了児氏(美術家)が、津波で打ち上げられた陸前高田の松を、五山の送り火の薪として使えないか。ということを思い付いたことから。
 事の経過は、ご本人がご自身のサイト 大文字送り火に、陸前高田の松原の薪・計画 で、報告されている通り。
 では、ちょっと視点を変えて、陸前高田の松(薪)を中心に経過を辿ってみようと思う。


 6月14日
 翌日の14日にまずした事は、陸前高田市役所(山手の仮設)の林業課に行って、この松を所有している方がどなたなのかを聞きに行きました。その結果は「陸前高田のがれきとなった松は、すべて福井県NPO法人「ふくい災害ボランティアネット」が管理しておられる事が分かりました。
 その日に福井のGさんにお会いして、「高田の松を使って京都の送り火の薪にしたい」事を話しましたら、「良いですよ、自由に加工してください」という返事を頂きました。

 (引用:大文字送り火に、陸前高田の松原の薪・計画 陸前高田の松と「京都大文字の送り火」について(検証)

 陸前高田の松は、市からNPO法人"ふくい災害ボランティアネット"に管理委託されている。ということが書かれている。その、ふくい災害ボランティアネットの活動は、
 ふくい災害ボランティアネット 東日本大震災 復興支援プロジェクトサイトin陸前高田
 この復興支援薪+αプロジェクトの趣旨は、というと、
 今や"産業廃棄物"となった陸前高田の松を再生(薪・グッズ等に加工)し、販売することによって復興支援金として地元に還元する。というもの。むむ。

 そして続けると、京都の大文字保存会が陸前高田の松を五山送り火の薪として受け入れる。問題は無さそうだ。
 最初は単なる燃料だった薪が、被災者の思いが書き込まれる事で、日本神道的昇華作用を経て、思いを宿す"薪"に変化することになった。(私も不勉強だったが、送り火で燃やす"薪"と、文字で思いを書く"護摩木"は別物)

 しかし、薪の放射能汚染疑惑問題だ。
 ここからはメディアの餌食にされる。そのあたりは特に言及しない。

 さて、その"薪"だが、
 京都には持ち込まずに、大文字保存会が陸前高田で"迎え火"として燃やすことになる。また、書き込まれた文字は護摩木に書き写しされて、それを"送り火"の折に一緒に燃やす。ということだ。
 大文字保存会の賢明な判断だと思う。(大文字保存会とは京都五山送り火連合会(五山)のうちの一団体(一山)ということ)
 その薪からは放射性物質は検出されなかった。厳密に言えば、検出限界以下だった。疑わしきものは持ち込まない判断をしたわけだ。しかも、"迎え火"として使用し、写木して"送り火"としても供養している。
 (科学的に考えれば、放射性物質が検出されるのは松の表皮の部分で、皮を剥した薪にしたことによってほとんど検出されないはず)
 それと、発案者である藤原了児氏、現地で世話をされた鈴木旅館の方、確かに放射能の事に関しては認識不足だったと反省されています。実際に行動し汗を流された方々には敬服致します。

 では、訝しげな奴らはどこにいる。
 当地京都の京都市長門川大作は、ことの経緯も判っていないまま、当初は大文字保存会を責め、さらには陸前高田(ふくい災害ボランティアネット)から新たに薪を発注する。という暴挙に出る。その薪から放射性セシウムが検出されるというオチまで付くが。。
 それに降って湧いて現れた、福島県伊達市の仁志田昇司市長? が、京都市と大文字保存会に抗議文書を送るだのって騒ぐ始末。
 まあメディアが腐ってるなら、それに寄って集る方々も臭い。一市の首長たる者、もっと見識をお持ちなさい。

 (追記予定)
 別の記事 京都五山送り火問題 (続き) にて追記