ここで仏像というものに触れておきます。
三尊形式というのがあります。中央に格式の高い如来像、左右に脇侍仏(菩薩像)一体づつの計三体。如来というのは釈迦が解脱して仏陀になった姿、菩薩というのは如来になる前の未完成の姿だが、特に如来・菩薩が釈迦でない場合もある。
釈迦如来に文殊・普賢菩薩が本来の姿ですが、阿弥陀如来に観音・勢至菩薩、薬師如来に日光・月光菩薩という場合など。前にも書いたように仏教は解釈は自由なのです。
特殊な例として不動明王・愛染明王の明王を奉る場合もありますが、やがては帝釈天・弁財天のバラモン教の神まで仏像?として奉るようになります。そして聖徳太子の仏像まで。
こうなると仏教を広義に解釈しても無理があり、仏教と言っていいのかわからなくなります。
仏像にはどういう意味があるのでしょうか。
救済宗教では、人々を救済することが目的になります。では人々はどうすれば救済されるのでしょうか。"こういう教えを信じなさい・祈りなさい"というなら、何らかのシンボルがあってそれに対して拝む(祈る)ほうが短絡的でわかり易いのです。これを偶像崇拝といいます。
原始仏教では仏像はありません。初め仏教徒が拝んだのは釈迦のお骨「仏舎利」であり、それを奉納した卒塔婆です。卒塔婆はそのギザギザの形から三重塔・五重塔という建物に変化していきますが。その後仏像が作られるようになり、日本に伝えられる頃には三十二相八十種好というルールが確立していました。
■ 参考
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